2026/04/28 18:07

北海道TEAと関係を築いてくださっているレストランや人を訪ね、その現場から見える可能性をひもといていく本企画。
今回は、北海道TEAをお取り扱いいただいている〈Apoptosis株式会社〉(アポトーシスかぶしきがいしゃ)にフォーカス。ノンアルコールドリンクの企画・開発・キュレーションを手がける同社のCEO・尾崎さんに、飲食店とプロダクトをつなぐ立場から見えるノンアルコール市場の変化と、これからの飲み方の価値観について話を伺った。
ノンアルコールを“専門”にする理由
ノンアルコールドリンクの企画・開発を手がけるApoptosis。ホテルやレストランへの卸を中心に、プロダクトの提案や導入を行っている。現在CEOを務める尾崎さんは、その立ち上げの背景についてこう話す。
「人が“美味しい”と感じることって、すごく根源的な欲求だと思っていて。その選択肢が広がること自体に価値があると考えています」
もともとは、お茶飲料の開発・販売からスタートしたという。
「最初はお茶のプロダクトをつくって卸していたんですが、レストランの方と話していく中で、求められているのは“お茶”そのものではないと気づいたんです」
現場で聞こえてきたのは、こんな声だった。
「お酒を飲まない、飲めない方に対しても、美味しいものを提供したい」
そうしたニーズに応えるかたちで、扱う領域はお茶にとどまらず、ジンジャーエールやコンブチャなど、ノンアルコールドリンク全体へと広がっていった。

「なので今は“ティーメゾン”ではなく、“ノンアルコールエージェンシー”と呼んでいます」
プロダクトをつくるだけでなく、飲食の現場に合わせて提案していく存在であることがうかがえる。
「選択肢があること」が価値になる時代へ
ノンアルコール市場は、ここ数年で広がりを見せているという。
「市場全体で見ると、毎年7%くらいの成長率で伸びていますし、日本だけでなく海外でも、宗教的な理由などで飲めない人は多いので、まだまだ伸びていくと考えています」
一方で、現場では別の課題も感じている。
「これまでジュースを100円で買っていた方にとっては、 どんなに付加価値のあるノンアルコールドリンクも従来と同じようなソフトドリンクに見えてしまう。そこに対して、どう価値を伝えていくかは課題ですね」 
飲まない人が増えている一方で、選択肢はまだ限られている。
「コーラ、ジンジャーエール、ウーロン茶…という選択肢しかない中で、それ以外の“美味しい”が増えていくことはすごくいいことだと思っています。飲めない人のためだけではなくて、飲める人にとっても、 一緒に飲む人のための選択肢や飲まないタイミングでの選択肢が増えることが大事だと思っています」
ノンアルコールは、アルコールの代わりではなく、選択肢を広げる存在として捉えられはじめているようだ。
レストランとノンアルをつなぐという役割
Apoptosisの役割は、プロダクトを届けることだけにとどまらない。
「飲食店さんからは、“いいジンジャーエールない?”とか、“この料理に合うものない?”といった相談をいただくことが多いですね」
そうした声に対して、最適な選択肢を提案していく。時には、季節やコンセプトに応じて、新たな組み合わせをつくることもあるという。
「桜の季節に合わせて、桜の葉を使ったティーやノンアルコールのロゼワインを提案したこともあります」
飲食店とプロダクトの間に立ち、ノンアルコールの可能性を広げていく存在であることが伝わってくる。その中で、北海道TEAについても印象的な言葉があった。
「 北海道のワイン用ブドウの葉を使っているというストーリーは、 ワイナリーに詳しいソムリエさんやワインとお料理のペアリングを探求してきた シェフの方にも伝わりやすいんです」

提案する際に大切にしている基準はシンプルで、美味しいこと。そして、食事に合うこと。
実際に多くのプロダクトを試す中で、採用に至らないものも少なくないという。
「6〜7割は採用に至らないこともあります。どんなに美味しくても、料理と合わせると違和感があったり、お店のコンセプトに合わないものもあるので」
ノンアルコールは、まだ明確な型がある領域ではない。だからこそ、現場の中で試しながら、少しずつ形になっていくものなのかもしれない。
「“美味しい”という感覚を起点に、選択肢を増やしていけたらいいなと思っています」
その言葉から、ノンアルコールという領域の広がりと、これからの可能性を感じられた。
———北海道のヴィンヤードから、ノンアルコールの新しい未来へ。
そんなコンセプトを掲げるHOKKAIDO TEA KOMBUCHAも、ともに選択肢を広げていけたらと思う。
〈Apoptosis〉

